残暑よ。全てを出しきれ!脱糞編
この暑さは残暑ですか?
もしこれが残っている暑さなら、真夏はしっかりとやりきらないと、出し切らないと。
終わったと思っていた真夏の恋も、再燃の機会を得るのでしょうか。
まだまだ終わらない、終わらせたくない祭りに身体うねらせ、心揺らせ。
あのー、世の中に存在する曲って八割五分ラブソングじゃないですか?
どの曲にも「君」や「あの子」「あの人」「あいつ」が出てきますよね。あまり聞きすぎると、身に覚えのある吐き気が僕を襲います。これは決して失意のゲロではなく、歓喜の吐瀉です。
その中でも、とんでもない人がいます。
みなさんは知っているだろうか?
aikoを皆さんは知っていますか?
あの方なんかすごいですよね。僕はですね、彼女の歌を聞くととんでもない事になります。もしも体にジッパーが付いているのなら、そのジッパーを開けて裏返しにして、体の内側を外側にしてジッパーを閉めて、しばらくこもって感傷に浸りたくなります。
ああいう人たちってどんな恋をしてきたら、あんな詩が書けるんだろうね。とよく話題になったりしますが、もしも1つの曲に1人づつ、実在のモデルがいるとしたら「恋多き」どころじゃないですよね。
恋の話ばかりしてても、催してくるのでいっそのこと、催した話をします!
僕は小学校二年生の頃、号泣脱糞をしました!
それは気持ちよく儚い、そしてどこか暖かく、他からの視線は冷たい。そんなある夏の脱糞。
いつも通り、放課後友達と一緒に公園でカラーボール野球をしていた岩井少年。
突如来る便意への好意はまだない少年時代、決まって地域の公園のトイレは汚く、ボットン便所。誰がいつ掃除しているのかも分からない暗黒帝国の扉を開け、快便を果たす事は出来ませんでした。なんか嫌でしょ、大便を公言してトイレへ向かうのがどれほどのハイリスクノーリターンニックネームウンコマンかを少年を経た男たちは知っているはず。
そんな気持ちがあり、便意の周期も長く緩やかだった為、平気なフリをして野球を続けていました。
17時も過ぎ、各々がお家へ帰る運びになり、これでようやく僕の便意の行き場、そう。マイホームへと帰れるぞ!という勝者になった僕は、ありえない速度で自転車をこぎました。サドルの役割は座るだけではないと知ったのもこの時です。
そして到着、自転車を止めて、階段を駆け上がります。
わーいわーい(⌒▽⌒)楽しいお便所だぞー(⌒▽⌒)
ドアノブに手をかけて、入場です。
「ガタッ」
ん?
もう一度ドアノブを握り、引く。
「ガタッ」
「ガタッガタガタガタガタガタ」
ドアが閉まっていました。
咄嗟にインターホンを押しますが、管制室応答はなし。一方、腹の中の管制室は予想だにもしない展開に大慌て。
「ピンポーン、ピンポーン、ピンポンピンポンピンポンピンポンピンピンピンピン」
八方塞がり is here!!!!!!!
間違えた!七方塞がり is here!
焦る僕、閉じようと試みるが、開く穴、そして湧き出る汗。
答えのない答えを探すピンポン、開かないドア。
感情の爆発、溢れ出る涙
「開けてー!!誰か開けてー!!!!」叫ぶ僕
遂に開いたケツノアナ。
「開けてー!!誰か開けてー!!漏れる、漏れるから誰か開けてー!!ママー!開けてママー、マ…………………………ギャーンギャンギャンエーンエーンエンエン」
「脱糞」いや「号泣脱糞」
流れるナウシカ、堰を切ったように積もっていくソイツ、暖かいパンツの中。
それは18:00前、夕食の準備を始める母たちと共に僕の新しい人生は始まりました。
号泣脱糞はここで終わるはずでした。しかし終わらなかった、事件に変わってしまった。
扉の前で泣き続ける僕の目に映ったのは、坂を登ってくる友達の姿でした。
その男は僕を見て、立ち止まり聞きました。
「どしたん、響」
僕は「漏れた、うんこ」と答えました。
今でも何故正直にあんな事を言ったのかは分かりません。
正常な判断ができなくなってしまっていたのでしょう。
こうして暖かいおもひでになる予定だった号泣脱糞は、彼の目撃によって号泣脱糞事件へと形を変えたのでした。
あくる日、小学校の教室で当然僕は彼と会います。
ニヤニヤと近寄ってくる彼の顔を見て、僕は「人生」の意味を考えました。
彼の口から出た
「響昨日漏らしとったな、言わんといてやるよ、そのかわり………
ずる賢い男でした。そのかわり僕は一体何を要求されたのでしょうか?
気になるでしょ、すごく気になるでしょ、それはまた僕とお会いした時に直接聞いてほしいと思っております。
号泣脱糞事件。
焦る僕、催すクソ、溢れる涙、友の目撃。
ちなみにその友達とは仲良しです。彼は今何をしているのだろう。
脱糞の目撃の黙秘を条件に商売をしているのだとしたら、俺は彼の食い扶持になっていると言っても過言ではないだろう。
それから僕は漏らす時や、便意はみんなに報告して、堂々とトイレに行く事に決めたんだ。
トイレの神様を僕は植村花菜よりも知っている、そんな自信に今は満ち溢れている。