岩井雑記:GEVOの正体
みなさんもGEVOした事がありますよね?
ない人は是非やってみましょう、時と場合によってはぶっ飛びます。
奴の正体は一体何なんでしょうか。
GEVOには色んな種類があります。
悲しみのGEVO、嬉しさの余りGEVO、苦しみGEVO、飲みすぎGEVO、泣き過ぎてGEVO、乗り物酔いGEVO、体調不良GEVO。
巷で騒がれるGEVOはこのくらいだと思いますが、僕には忘れられないGEVOとの思い出があります。
今からそう遠くない昔、僕は好きな女の子が近くを通ったりしたら少し嗚咽したりしていました。
オウェってよくなっていました。
そんなある日、千載一遇のチャンスが訪れました。
僕の掃除場所にそのガールのノートがありました。
忘れ物ですね、忘れ物を届けるというスキのない完璧な理由を盾にして公式にガールに話しかけても良いという思春期の男なら誰しもが待ち望んだ時がやって来たのです。
その時僕は思いました。「俺は人生の勝者、てか前も忘れてたし(その時は違う子が届けたけど)これ2回目くらいじゃん、これもしかしてわざわざ俺の掃除場所下調べして、わざとノート置いているんでないでしょうか。ていう事は俺の事が好きっていう事でオッケーでしょうか?いや待て、冷静に考えて2回もノート忘れるか?俺に恋したからって故意にそういう事しちゃったり?まあわざとじゃなくて本当に忘れてたとしても、そういう気の抜けた所が垣間見えて俺的には全然最高ですけれども。それにしても新しいですよね、置き忘れノート告白ですか?言わずもがな今の気持ちは最高です。昇天です。」
という事でガールの元まで闊歩といきたいところでしたが、到着寸前教室後ろ入り口後方3メートルで足が止まりました。
「いや、待て。これは俺が持っていても法的に許される代物なのか。第一、女子の忘れ物なんだから女子が持っていけばいいのではないか。なぜ俺が今持っているんだ、おまわりさんこれ捕まったりしませんか?このノートが俺を苦しめている。なんなんだこのノート。時をかけて焚書のし忘れですか?」
掃除場所でブツを見つけた時の高揚感は消え、恐怖と緊張が僕の心の主導権を握りました。
あの頃の自分には荷が重過ぎる宝でした。
この状況を最高に楽しんでいる友達たちが早く行けと煽ってくる声が断末魔の叫びにしか聞こえず、僕もとりあえず下の階に向かって「ウィィィィィ!パオッ!ピュゥゥ!」みたいなイメージで声帯を震わせました。実際は何を言ったか分かりません。もはや気合いの入れ方が分からなくなり社会的にも危うい状態を迎えていました。
若干オウェってなり始め、20分ほど何かと戦い。
僕の出した決断は、ガールと同じクラスの男子にノートを持って行ってもらう。でした。
ちょっと泣きそうになりました。
その後こっそりトイレでオウェってなって、ちょっとだけGEVOがでた気がしています。
でも、その時のGEVOは吐瀉物ではなく純度の高い青春だった。気がします。
洋式便所の便器に溜まった水に写る自分の顔が叫んだ風圧で歪み、少し泣いているように見えました。
その時僕は確かに便器に向かい「可愛い、可愛すぎるんだ!!!」と叫んだ。
キュートガールGEVOと僕は出会いました。
次が来たならちゃんとガールの前でGEVOできるだろうか。
催して外に出さないと耐えられないようなそんなGEVOをいつか僕もできるんだろうか。
キュートガールGEVOよ もう一度。
きっと、その相手が僕の結婚相手でさぁねぇ。